稽古内容
稽古の形態
八起会の稽古形態は、二人一組の約束組手形式(何の技を使うか合意の元に行う)稽古が中心で、「取り」(相手の攻撃を捌いて技を掛ける側)と「受け」(相手に攻撃を仕掛けて技を受ける側)の役を互いに交代しながら繰り返し行います。まず指導者が取り、その補助者が受けとなり課題である技の形を示演した後、これにならって稽古生各々二人一組となり技を掛け合います。
取り、受けは平等に同数回交代しながら行い、片方が2回投げれば、もう片方も2回投げます。技は右左と「表」(入身で相手の死角に踏み込む)、「裏」(転換で相手の背後に回りこむ)を、やはり同数回行います。
合気道の稽古は、技を右と左で交互に行う(右と左で同じ動きを繰り返す)ので、左右の身体のバランスが良くなるのも合気道の良さの一つです。
少年少女部の稽古
少年少女部では、合気道の基本をしっかり修得すると同時に、日本伝統文化である武道の精神から、礼儀や相手を尊重する心を身につけ、健全な青少年を育成する事に重きを置いています。
普段の学校や家庭生活では、なかなかこれらが身につかない世の中です。合気道を通して、幼い頃から礼儀を体に染み込ませるのも、立派な大人へと成長させる一つの手段ではないでしょうか。
稽古場所 | 大田区立貝塚中学校武道場 |
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少年少女部指導者 | 久保 輝明(五段) |
稽古時間 | 金曜日 19:00 ~ 20:00 (1時間) 日曜日 9:00 ~ 10:00 (1時間) 土曜日 16:00 ~ 17:00に振替の場合有り |
稽古内容 |
・稽古開始時の先生への礼 ・基本体操 ・受け身 ・膝行 ・鳥船、一教運動 ・足捌き(転換、転身) ・技稽古 ・稽古終了時の先生への礼 ・稽古相手へのお互いの礼 |
少年少女部でも、きちんと稽古に出席すれば、日数に応じて昇級審査を受けられます。
級に応じて帯びの色が変わっていくことが、一生懸命稽古した成果となって現れるため、少年少女達の励みになっています。
一般部の稽古
一般部の稽古では、技を行いつつも、体捌きや足捌き、手捌きといった「捌き」に重きを置いています。
例えば、いざという時、相手に突然腕をつかまれると、人は体が硬直して何も動けなくなってしまいます。
しかし、捌きをしっかり稽古し、どんな状態でもあらゆる方向に捌けるようになれば、いかなる場合でも体が自然に動くようになり、その後の技が活きてくるのです。
稽古場所 | 大田区立貝塚中学校武道場 |
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一般部指導者 | 樋口 芳明(六段) |
稽古時間 | 金曜日 19:30 ~ 21:00 日曜日 10:00 ~ 12:00 土曜日 16:00 ~ 18:00に振替の場合有り |
稽古内容 |
・一教、二教、三教、四教、五教 ・四方投げ ・入身投げ ・小手返し ・天地投げ ・回転投げ ・呼吸法 ・体捌き、足捌き (入身、転換、転身) ・胴造 ・受け身 ・正面打、横面打、突 ・片手取、肩取、両手取、諸手取、後両手取 ・剣術、杖術 |
また、合気道の開祖植芝盛平翁は「合気道は剣の理合である」と言い、剣・杖を重要なものとして語りました。合気道の徒手技は剣・杖の術理を体術の形で現したものであるとされています。
八起会でも稽古内容によっては、剣や杖も使います。あらゆる技は剣や杖の動きが基本になっているので、しばしば、剣や杖を用いて技の動きを確認しています。
一般部でも稽古日数、合気道の上達度に応じて昇級、昇段審査を受けられます。
一般部では5級から始まりますが、5級取得と同時に合気会会員となり、2級以上で茶帯、初段以上で黒帯、袴が着用できます。初段未満の会員達にとっては、いつか袴を履けるようになることが大きな目標となっています。
基本動作の大切さ
合気道に限らず、何かを学び、身につけようとするならば、基本から始めることが多いのではないでしょうか。合気道も、華やかな技の数々を学ぶ前に、基本動作から学んでいきます。
しかし、合気道の基本の稽古というものは派手さもなく、地味なものがほとんどであるため、多くの人はおろそかにしてしまいがちです。優れた技術を身につけるためには、基本は欠かすことのできない要素なのです。基本の修練を繰り返し積み重ね、確実にマスターして、初めて次のステップに進むことができるのです。
入身(いりみ)、転換(てんかん)、転身(てんしん)といった体捌き(たいさばき)や足捌き、構え、間合い、手刀(しゅとう)の使い方、受け身といった基本は、すべての技術に必要な動作です。基本を確実に身につけておかなければ、その先の技術を覚えることはなかなかできません。特に、受け身の稽古をおろそかにすれば、大きなケガの原因にもなってしまいます。
合気道を楽しく学ぶためにも、しっかりと稽古し、正しい形で基本動作をマスターしていくことが必要なのです。
八起会の普段の稽古も、特別なことはしていません。
基本動作を繰り返し、その精度を高めていくことを目的としている稽古がほとんどです。
これまで合気道の経験がなく、これから合気道を学んでいこうと思われている方は、基本動作の大切さを念頭におきながら、稽古を始めていくと良いかもしれません。